「海外大学字幕プロジェクト(GUSP)」で指導を担当
JVTAは約30年にわたり、社会人を対象とした職業訓練校を軸としたスクール事業を運営し、多くのプロの映像翻訳者を輩出してきました。2010年からは日本国内外にある学校教育機関から依頼を受け、これまでのノウハウを活かして正規授業の指導を担当しています。
「海外大学字幕プロジェクト(GUSP)」もその一環です。JVTAの講師による指導の下で、海外の大学で日本語や日本の文化を学ぶ学生が日本の短編映画に英語字幕をつけて世界に発信するという取り組みです。これまで、ゲント大学(ベルギー)やウィーン大学(オーストリア)、ハインリッヒ・ハイネ大学(ドイツ)など世界各地の大学で授業を行っています。
授業は東京にいる講師と各大学の教室をオンラインで繋ぎ、ディスカッション形式で行います。映像翻訳概論やストーリー構成、短編映画の分析、リサーチのスキルなどを学んだうえで、課題作品の英語字幕の制作に取り組みます。日本独特の文化や表現などを正しく理解するために丁寧に作品の解釈を行うのもこのプロジェクトの特徴です。学生たちは、セリフの背景にある人間関係や登場人物の想いまで読み解き、作品の世界観やトーン、キャラクター設定なども考慮しながら、最適な英語表現を考えていきます。大学関係者からは「JVTAとの共同プロジェクトは学生にとって、プロが制作する字幕翻訳についての知見を深める絶好の機会」と評価されています。
GUSPで制作された英語字幕は、ドイツのフランクフルトで開催される世界最大級の日本映画祭「ニッポン・コネクション」で実際にスクリーンに映し出されます。
今年(2025年)は下記の上映プログラムで、学生たちが制作した英語字幕と共に2本の短編映画が上映されます。
【JVTA Meets PIA Film Festival: Shorts】
◆課題作品『サンライズ』(八代夏歌監督)
英題:Sunrise
英語字幕制作:ハインリッヒ・ハイネ大学(ドイツ)
◆課題作品『ちあきの変拍子』(白岩周也監督、福留莉玖監督)
英題:Chiaki’s odd time signature
英語字幕制作:ゲント大学(ベルギー)
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「ニッポン・コネクション」は、今年で25回目を迎える歴史ある映画祭。毎年100本あまりの新旧の日本映画が上映される人気イベントです。近年、世界三大映画祭(カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭)でも濱口竜介監督や黒沢清監督が受賞するなど海外での日本映画の評価は高まっています。JVTAも映画祭出品の英語字幕制作を数多く手がけてきました。今後も「海外大学字幕プロジェクト(GUSP)」を通じて、学生の指導と日本映画の海外発信のサポートを続けていきます。
◆ニッポン・コネクション
ドイツ・フランクフルトで開催
2025年5月27日~6月1日
公式サイト:https://nipponconnection.com/ja/start/
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